「いのちを呼びさますもの」生きていることの不思議を知る。
美しい本を見つけました。
何がどう美しいかは説明が難しいのですが、本を思わず手にして「美しい」とつぶやいてしまいました。
著者は東大病院医師、稲葉俊郎さん。
日々医療現場で臨床医として働き、2011年3月311日の震災で医療ボランティアとして駆けつけた経験を「呆然と立ち尽くすしかなかった」と語っています。
そんな稲葉医師が「こころ」「からだ」「たましい」「いのち」と呼ばれているものはどういうものなのかを問い続ける思いをつづっています。
なんといっても目次の序章のタイトル「すぐれた芸術は医療である」に感動。
私たちは他から切り離された個ではなく、大いなる全体の関係から生きているという視点から健康、病気、治るとは何かを語る内容はとても奥深いです。
以下本書より引用です。
人間の体は、調和と不調和の間を行ったり来たりしながら、常に変化する場なのだ。全体のバランスを取りながら、その根底に働く「調和の力」を信じ、体の中の未知なる深い泉から「いのちの力」を引き出す必要がある。それが、人の「全体性を取り戻す」ことに他ならない。(序章より)
芸術が生まれる時、それは自分自身の深い体験をともなうものであり、心や体の全体性の回復をともなうものだ。(第二章 こころのはたらきより)
わたくし事ですが、以前より少しずつ準備していた整体の仕事をいよいよ主にすることにしました。
人の身体、健康にかかわることを仕事とする中でこの本はとても心に響きました。
本の帯にある「生きていることの不思議を知る」
と、くればどうしてもこの歌が聞きたくなるのです。