「うらを見せ おもてを見せて散るもみじ」
良寛
良寛のそばにいた貞心尼が
遠からず良寛が逝くことを感じ嘆いて
「生き死にの 界(さかひ)はなれて住む身にも 避らぬ別れのあるぞかなしき」
ともらしたときに良寛が応えた句。
自分のいいところも、わるいところも、かくさずにすっかり見せたから思いのこすことはないというのである。
よいこと、悪いこともすべてが自分であり、それをそのまま受け入れ
それでいいのだと生きて最後を迎えた良寛。
なんという平安な心だろうかと、なんという励ましだろうかと、
もみじを見るたび思い出す。
私はというと、悪いことを隠そうとばかりしている・・・