「ズートピア」はすごかった!
少し前の作品ですが、「ズートピア」を紹介します。
映像を見て、ディズニーの子供向けの可愛い映画だと思ったら大間違い!
非力な草食動物のウサギが、警察官という自分の大きな夢に向かって正義感にあふれながら成長し、巨大な悪に挑むという胸のすくようなポリス・アクション映画・・・
確かにそうなんですが、そのストーリーの裏にあるメッセージに深く深く考えさせられました。
表のストーリーは・・・
動物たちが進化?してハイテクな文明を持ち、肉食・草食を問わず、大小さまざまな動物たちが共存して暮らす世界の大都市、「ズートピア」。そこは誰もが夢をかなえられる場所。
小さなウサギのジュディは、史上初のウサギの警察官として希望に胸をふくらませ、大都市「ズートピア」にやってきます。
ひょんなことから、本来(進化以前)なら食うか食われるかの関係であるキツネのニックと出会い、二人で力を合わせ巨大な悪の組織に挑みます。
では、裏のメッセージは・・・
私は自分の中に差別や偏見がいかに根深く存在するかを考えさせられました。
あらゆる動物が共存できる世界である「ズートピア」は一見幸せそうですが、その裏には何重ものトリックに隠された偏見と差別が存在しています。
「ズートピア」は、平和と共存を目指している(はず)の私たちの世界でもあります。
平和と共存を謳いながら、正義であることを武器に巧みに世界を支配しようとしている者。
自己防衛を理由に武器を持つことを正当化する者。
そしてそれは社会を動かすような、権力や影響力をもつ人たちのことだけでなく、この私自身でもあるのです。
映画でも、正義と公正を自負するジュディですが、自分でも気づかないところにある偏見・差別の意識が大事な記者会見のスピーチで出てしまいます。
その発言が社会の不安をあおり、不安は大きな偏見となって一部の動物を排除していくことになります。
そして、何よりも大事な友人であるニックを深く傷つけてしまいます。
「ズートピア」のプロデューサーであるジャレド・ブッシュがインタビューで語っています。
全ての人は互いに交流する方法を持っているけど、その一方で、全ての人は他のグループや異なるタイプの人間に対する先入観を持ってもいる。
本作では、これを描きたかったんだ。白人と黒人について詳しく語るのではなく、「自分も他の人に対して先入観を持っているのかもしれない」と観客に感じてほしかった。
だから本作では、悪役だけに偏見を抱かせるのではなく、主人公を含む全てのキャラクターに偏見を抱かせることが、とても重要だったね。
人々が自分自身を顧みることで解決されるべき普遍的な事柄について描くことは、何らかの間違いを正して、小さな違いを作り、ものごとをより良くしていくために大切なことだよ。
プロデューサーが語る偏見を持つ「全てのキャラクター」には、私たち観客までもが含まれているのです。
こんな映画がなぜ誕生したのか?
動物たちが主人公なので子ども向けかと思ったら大間違い。
この作品は、資本主義の果てに、どういう社会が生まれるのかを暗示している。
ディズニー映画の中でもずば抜けた傑作です!
しかし、こんなに重いテーマを扱っているのにも関わらず、見終わった後は深く考え させられながらも、もう一度夢を持ちたいと思わせるところがディズニー映画です。
パロディをふんだんに効かせ、ユーモアと見事なアクションをおりまぜながら一気に魅せるところはさすがだと思いました。
映画に登場するネズミのマフィアのボス、「ミスタービッグ」は
ゴッドファーザーのパロディー!
さて、物語のジュディは自分の中に潜んでいた偏見と差別によって、大事な友人を傷つけ、夢であった警察官にも挫折して田舎に帰ります。
でもジュディは再び、ニックとの友情を取り戻します。
ジュディはどうしたと思いますか?
謝ったのです。心から自分の間違いをニックに謝りました。
何だ、そんなことと思いますか?
私は、それは簡単なようで、実はとても難しいことだと思います。
しかも、それしかない、素晴らしいことだと思います。
私たちは、間違います。
小さな間違いから、許されるものではないと感じるほどの大きな間違いまで。
私たちは何度も間違うでしょう。
でも間違いだと気づく勇気と、気づいたら反省して、相手に心から謝ることしかないのではないでしょうか。
そして、そこからもう一度スタートするしかないのではないかと思います。
Shakira - Try Everything (Official Video)
今夜私はしくじってしまった
また戦いに敗れてしまった
まだまだ私は失敗ばかりするけど、また再スタートすればいい
いつも転んでばかりで
地面に打ち付けられては
次に何が来るが見るために、いつも立ち上がる
鳥たちはただ飛んでいるんじゃない
彼らは落ちてはまた立ち上がっているの
どんな人だって与えずには学ぶことはないから
私は諦めない、私は降参しないから
最後の最後まで
そしてまた再スタートを切るの
私はいなくならないわ
私はすべてに挑戦したい
挑戦したい、たとえ失敗することがあっても
私はいつだって新しいミスを犯すだろう
私は毎日ミスを犯すだろう
新しいミスを